道具と飛距離の因果関係
【ドライバーの重量】
ここで解説するドライバーの重量とはヘッドの分だけではなくシャフトの重量も含みますが、意味合いとしては同じだと考えて差し支えはありません。同じヘッドスピード、同じミート率で比較すると重たいドライバーの方が飛距離もアップするのですが、その逆だと理解している人もいるので改めて説明します。 軽いドライバーでスコーンと振りぬいたほうがゴルフボールも良く飛ぶと考えている人は、きっと軽量だから速くスイングできると思っているのでしょう。たしかに振りやすいのでそんなイメージを持つのもわかりますが、実際にボールを打ってみれば違う結果になることが検証されています。同じヘッドスピードなら重たいほうがボールに多くのエネルギーを伝えることになるので、勢い良くグリーンに向かって発射されるのです。 こんな説明ではわかりにくい、と言われそうなので身近な物で例えると、ボウリングなんかが良いでしょうか。 ボウリングのボールを自動車のバンパーにぶつけるのと、同じくらいの大きさのバスケットボールをぶつけるのとではどちらがバンパーをへこます事ができるか、実験するまでもなく前者になります。どちらも同じ速度で投球する条件なら何度やってもボウリングの勝利でしょう。ただしゴルフにも当てはまることですが、重たすぎてうまく投げられない、自動車まで届かないなんてことになったら勝負はバスケットボールの逆転勝利になるので、まともに扱える範囲での重量でなければ意味はありません。
【ロフト角】
ロフト角もドライバーの飛距離に大きな影響を与えるので、クラブ選びではチェックしなければならない項目のひとつです。 一般的にはこの数値が低いほうが飛ぶドライバーとされていますが、やはりここでもヘッドスピード次第で逆になるケースもあります。速い人ならみんなが言うようにロフト角の少ないドライバーを選択したほうが良いのですが、ヘッドスピードが遅い人はロフト角の大きなドライバーの方が飛距離をアップさせることになるのです。見栄を張らずに自分の実力に合わせたロフト角のクラブを入手することが、ゴルフの腕前も上達していくので素直になりましょう。 「ボクは速いよ、測ってないけど」と根拠も無くとにかく凄い自信を持っている人はそれだけでは速いのか遅いのかわかりませんので、ゴルフ用品店で計測してどのロフト角がいいのか店員にアドバイスしてもらいましょう。男性の中には勝手な思い込みで自分は力持ち、ヘッドスピードはプロにも劣らないと信じて疑わない人もいますが、客観的に自分のスペックを把握できなければ上達が遅くなるばかりか退化してしまうことすらありえます。 メンタル面も重要なスポーツなので自信を持つことはいいのですが、間違った願望や妄想は己の成長の妨げにしかなりません。 「プロはこのロフト角で打ってるんだから」と背伸びして真似をするのではなく、自分に合わせて調整しましょう。
【ゴルフボール】
真っ先に思いつきそうな飛距離アップのアイテムがゴルフボールかもしれませんが、どれを使ってもそれほど大きな違いはなさそうなので過度の期待はやめましょう。 ビギナーほどボール次第でもっと飛ぶ、高価なボールを使えば10ヤードくらいすぐに伸ばせると安直な考えをしがちで、今は安いボールを使っているからいまいちなんだ、こんなに練習してるのに結果が出ないのはボールのせいだと、自分の責任をスルーしてすぐ道具のせいにするのは悪い癖です。 とはいえ多少は違いますし、僅かでもいいから飛距離をアップさせたいのならゴルフボール選びにも労力を注いでみてもよさそうです。 メーカーが何事にも縛られず、ひたすら飛ぶボールを追求しているのならきっとドライバー選び以上に重要な要素にもなったでしょうが、残念ながらボールには規格が定められているのでどれを使っても極端に違いはありません。全くの瓜二つでこそありませんが似たような性能で統一されており、相性で選ぶつもりで相棒を探すことになるでしょうが、何もせずに適当に選ぶよりは良いボールを使うことが出来そうです。見た目で選ぶよりも実際に何度か使ってみて、フィーリングの合いそうなボールをゆっくり探せばいいかと思います。 まあ大きな効果は望めませんし、何種類かを使っているうちにもし見つかったらラッキー、程度に考えていればいいでしょう。高ければいい、ということもないので本当に勘で探すしかありません。